図書館職員のおすすめ

【6月のおすすめ本】

osusume201806-1「ヲトメノイノリ」

 石田 千/著
 筑摩書房

 

女性ならば誰もが「こんなこと思ったことがあったなぁ」「あー、この気持ちわかる!」
と、心がポッと温かくなるようなお話ばかりです。
主人公は6歳から76歳までの“ヲトメ”たち。劇的な事件が起こるわけではありません。
でも、一途に生きる彼女たちの日常は、そばにいてそっと肩を抱きたくなるような、手をつなぎたくなるような、そんな優しい心を抱かせてくれます。
さてさて表題作「ヲトメノイノリ」の主人公、76歳の老舗佃煮屋の女将、潮子さんの願い、それは一度も弾いたことのないピアノで「乙女の祈り」を弾くこと。
家族も町内の人々も巻き込む潮子さんの大奮闘と、悩みながら潮子さんを指導するゆり子先生の成長の物語はどんな結末を迎えるのでしょうか?
ヲトメ(乙女)とは、年齢とは関係なく毎日を懸命に生きる女性すべてのことを指す言葉なのかも知れない・・・と甘い思いにさせてくれる一冊です。

       



osusume201806-2「ぼくたちはこの国をこんなふうに愛することに決めた」

 高橋 源一郎/著
 集英社

 

4人の小学生が夏休みに「くに」をつくろうとしたら・・・。
「くに」には、何が必要で何が要らないのか。
個性豊かで知的な大人たちとの関わりの中で主人公は考え行動していきます。
「くに」作りに興味を示す女の子の閑寂な一家がこれからどうなっていくのか
キャラメルの空き箱をくれた男の人と、また時間や空間を超えて会うことができるのか。
現実の「くに」のこれからとともに、物語の「くに」の行く末を想像したくなります。学校での朝の読書にもおすすめです。

 

       



osusume201806-3「アナゴたいそう」

 うさやま みさこ/作 みうら あや/絵
 鈴木出版

 

みなさんは「チンアナゴ」を見たことがありますか?
水族館で、いま人気のお魚です。
アナゴ科で全長40㎝ほど、成魚には黒い点があり、顔つきが日本の犬の「チン」に似ていることからこの名前がついたそうです。
日本では高知県以南に分布しています。
半分砂に埋まって、水の中でゆらゆら揺れているチンアナゴたち。
さあ、アナゴたいそうがはじまります。
「右を向いたり左を向いたり上を向いたり下を向いたり……たのしいな
つぎは2匹で ハートを作ります それから………のばしてのばして もとどおり みんなそろって こんにちは!!」
みんなで泳いでいる姿が、とてもユーモラスに描写されています。
ぜひ、子供さんと一緒に見て楽しんで下さい。

       



osusume201806-4「動物たちは、お医者さん! ‐自分で自分を治すすごい力!‐」

 アンジー・トリウス/文 マーク・ドラン/文 
 フリオ・アントニオ・ブラスコ/絵 古草 秀子/訳

 河出書房新社

 

人間は、怪我をしたり病気になったりすると、病院に行ってお薬をもらうけれど、自然の中で生きる動物たちは、いったいどうしているのかな?
動物たちは、それぞれ生きるために必要な『自分で治す力』を持っています。そして、暮らしやすい環境を整えるために、すごい『技』を使います。
例えば、“オマキザル“は、ノミやダニなどの虫よけを作ります。数種類の植物を混ぜ合わせて、皮膚にこすりつけるそうです。他にも、毒の特効薬、ミネラル補給に岩を食べる、さらには日焼け止めを塗る動物まで・・・。
14種類の動物たちの、生態とユニークな治癒力を、分かりやすい文と絵で紹介している本です。

       


【5月のおすすめ本】

「探してるものはそう遠くはないのかもしれない」

新井 見枝香/著
秀和システム

 
みなさんは“新井賞”をご存じだろうか!?
新井賞とは、出版業界からも注目されるカリスマ書店員(現在は営業本部勤務)である新井 見枝香氏が独自に創設した
賞で、直木賞 芥川賞の発表の日に合わせ「これは売れる!」と彼女が思う本に与えられる賞。もちろん選考委員は彼女
一人。なんでも、直木賞 芥川賞を受賞した本より新井賞を受賞した本の方が、よく売れるのだとか・・・。
この本はありとあらゆる本を読み潰してきた彼女が、初めて出したエッセイ本である。
それぞれのエッセイのタイトルを読んだだけでも、なんだか面白い展開になりそう、と期待できる。そしていざ読み
出すと、彼女の書店員としての仕事の場面はもちろんのこと、日常生活、人間関係などさまざまな誰もが経験する場面
の中で、自分たちが薄々どこかで感じてきたことを、彼女が文字で表現してくれ、スッキリ感を味わい、共感を覚えること
間違いなし。さらには、彼女の膨らんでいく想像力と妄想力に、読んでいて笑い出さずにはいられない。たまに形容詞
代わりに使われる小説名や作家名がさらりと出てくるあたりに、彼女の読書力の深さや広さを発見できるところも、読んで
いて楽しい。
この春 新しい環境の中に身を置かれた方、日々ストレスを感じている方に、笑って読んでもらいたい一冊です。
追記として、今年の新井賞は桜木紫乃著の「砂上」。併せて読んでみてはいかがでしょう?
       


「コンビニたそがれ堂」

村山 早紀/著
ポプラ社

 

風早の街には、コンビニたそがれ堂という不思議なお店があります。
そこには世界中のあらゆるものが置いてあります。ずっと昔に失くしたと思っていた誰かの大切なものまでも。ただ、そのお店にはいつでも誰でもたどり着けるわけではありません。
本当に探しているものがある人だけが、たそがれ堂を見つけることができるのです。
転校していった友達の涙が忘れられない小学生、大切なお人形を捨てられてしまった女の子、人生に迷い始めたアナウンサー、重い病にかかった猫・・・さまざまなお客さんが、たそがれ堂を訪れます。そこで彼らが手にするのは、「もの」だけではありません。
それぞれの物語を読み終えた後、涙がにじんだり、あたたかい気持ちになる小説です。
       


「ベイリーとさっちゃん」

田村 朗/作
絵本「ベイリー物語」刊行実行委員会

 

おなかの手術をするために病院に入院したさっちゃんと、ファシリティドッグのベイリーが、一緒に病気に立ち向かって
いく物語です。
ファシリティドッグとは、子ども達を励まし、そばで寄り添いながら病院で活躍するれっきとした医療スタッフです。
日本では、まだまだその存在が知られていませんが、現在 ベイリーの他 2頭のファシリティドッグが活躍しています。
ベイリーが側にいてくれると、さっちゃんは注射だってへっちゃら。ベイリーの愛に包まれながら病院生活を送るさっちゃん。しかし手術の日が近づき、不安でいっぱいのさっちゃんは、ベイリーを背中からだっこします。その姿はまるで恋人同志のよう。
さて、さっちゃんが無事に退院できる日は・・・。
英訳付きで、世代を越えて、ファシリティドッグの存在とあたたかさに触れていただきたいと思う作品です。
       


「どんなにきみがすきだか あててごらん」

サム・マクブラットニィ/文  アニタ・ジェラーム/絵
評論社

 

デカウサギとチビウサギがきみを(お互いを)どんなに好きかを競い合う、とても心温まるすてきなお話です。
デカウサギとチビウサギは親子でしょうか? 恋人? それともおじいちゃん、おばあちゃんと孫?好きと表現することの大切さを、ページをめくっていく度に、感じられます。
眠たくなるチビウサギを横で見守るデカウサギの温かい微笑は、大人の心をも優しく、豊かな気持にさせ、そこに無限の愛を感じさせてくれるお話です。
ほのぼのとしたやわらかいタッチと優しい色彩で描かれたウサギたちや背景に、とても心がなごみます。
シリーズとして出ていますので、ぜひ読んでみてください。
       


【4月のおすすめ本】

いのち愛しむ、人生キッチン

「いのち愛しむ、人生キッチン~92歳の現役料理家・タミ先生のみつけた幸福術 」

桧山 タミ/著
文藝春秋

 

現在も九州・博多で料理教室を開いている料理家タミ先生の初のエッセイ。
まず表紙の女性の可愛らしいこと。とても90歳を過ぎているとは思えない元気な姿に、見ている方も笑顔にさせられます。

「くよくよせず、おおらかに生きる」をモットーに生活するタミ先生。
ページを開くと、自然や気候、食材、体調に合わせた食生活を大切にしてきた豊富な経験や、心が軽くなる言葉の数々が書かれています。次の世代に残したい知恵や教訓、日々の生活を通して丁寧に伝えていく大切さにも気づくことができるでしょう。
後半には、タミ塾の塾生たちが家庭で繰り返し作っている定番レシピも紹介されています。


zukaimotibe-syonn「 図解モチベーション大百科 」

池田 貴将/編著
サンクチュアリ出版

 

春に何かを始めたいというあなたにおすすめの一冊です。
モチベーション= 動機、つまりなにかをするための「やる気」のこと。
この本では目標を立てても挫折してしまう、商品に興味を持ってもらいたい、勉強などやりたいと思わせたい…! という人に「やる気」を起こすヒントを与えてくれます。
様々な心理学・行動経済学の実験から導き出しされたモチベーションを上げる(または下げる)行動と結果が【動機付け】【意思決定】【人材育成】など章ごとに分類され1ページに1つ紹介されています。例えば【動機づけ】では、「よし、やるぞ!」と思ってはじめるより、「できるかな?」と問いかけた方がやる気をおこしやすい(自問式セルフトーク)、【自己管理】では、読書は何冊かの本を並行して交互に読んだ方が記憶に残りやすい(交互練習)などなど。
読んでいると、実は自分も動かされていたのでは?と改めて気づかされる結果もあり、つい日々の生活を振り返ってしまいます。また、目標は未来を変えるためでなく現在を変えるために立てるもの、目標に重圧を感じることに意味はないという著者の言葉に励まされます。
なかには「あれ、さっき書いてあったことと違う…?」という実験結果もありますが、人の性格は千差万別。自分にどちらが合っているのか想像しながら読んでみてください。きっとあなたが最高にやる気を出すために一役かってくれるでしょう。


ひみつのきもちぎんこう かぞくつうちょう「ひみつのきもちぎんこう かぞくつうちょうできました」

ふじもと みさと/作
田中六大・絵
金の星社

 

最近、きょうだいげんかばかりしているひかる。そればかりか、公園で小さい子にいじわるもしてしまいます。そんな様子を見て、悲しんでいるお父さんとお母さん。

ある日、ひかるのもとへ手紙が届きます。そこには、人のきもちをあずかる「きもちぎんこう」への地図がかいてありました。行ってみると、ひかるを担当しているばんとうさんが、ひかるの「かぞくつうちょう」を見せてくれました。
「かぞくつうちょう」は、なみだ色の青コインでいっぱいになりそうです。青コインがいっぱいになると、たいへんなことが起こるといわれ、それを止めるためには、ピンク色のコインをふやすしかありません。ひかるは、どうやってピンク色のコインをふやすのでしょうか?

いつも一番近くにいる家族との関わりを考えなおすきっかけとなる一冊です。


syougakkoudehamanabenai「小学校では学べない 一生役立つ読書術」

齋藤 孝/著
株式会社KADOKAWA

 

一度身につけると一生使える最強な「読書術」を、教えてくれる一冊。

国語力のゴールデン・エイジは小学4年生くらいから中学2年生くらいまでの時期という齋藤先生。今はまだ本がきらいな子にも、本が好きになる魔法をかけてくれます。最初はちょっとたいへんかもしれないけれど、読んで試した人は、きっと自分の成長が実感できるはず。

本の最後には、特別付録として「齋藤先生おすすめ70冊リスト」もついています。素敵な本や素晴らしい本にたくさん出会ってください。