図書館職員のおすすめ

【10月のおすすめ本】

「 敬語で旅する四人の男 」

麻宮 ゆり子/著
光文社   

 

母から来た1枚のはがきにより佐渡島へ行くことにした真島は、たまたま会社の先輩にそのことを話してしまう。すると、どういう訳か一人旅のつもりだった佐渡島旅行へ同伴者が増えていき、いつしか互いによく知らない、男四人組で旅することに…。

一つの旅で一人ずつ明かされていく、それぞれの素性と抱えている現実。平凡な人生の中にも苦しいことや辛かった過去がある。ひょんなことから集まった四人が旅の中で、そんな人生の「苦しい現実」「愉快じゃない思い出」にちょっとだけ向き合っていくお話。

軽妙な会話にはクセになる面白さがあり読みやすい。また四人のさっぱりとして深入りしない、それでいて思いやりに溢れている心地よい関係が読んでいてうらやましくなる。

鍵となる人物は知的なイケメン、斎木先輩。先輩は噂が立つほどの美しい顔立ちとクールな性格の持ち主なのだが、実は医者の診断がつくくらい人とのコミュニケーションが苦手なのだ。全てが計画の通りでないとパニックになってしまうし、人の感情を上手く読み取れない。そんな斎木先輩の発言は時に場を和ませ、時に人を怒らせ、周囲を巻き込んでいく。でも人とは違う視点でものを見る斎木先輩の言葉はいつも真っすぐで、時にハッとさせられる威力を持つのだ。

読んだ後に「この四人の続き、もっと読みたいなー」と思ってしまう一冊。


妻が願った最期の「七日間」「 妻が願った最期の『七日間』  」

宮本 英司/著
サンマーク出版

 

病気だった妻が亡くなった後、夫(著者)が新聞に投稿した記事をきっかけにして、この本は始まります。
出会いから50年を迎えた夫婦の人生が、妻が最初に書き、夫がそれに対する返信を書くという交換日記のような形で、「二人の物語」として綴られています。

出会い、毎日の電話、お互いの性格、結婚後生活、ペアのTシャツ…など、妻と夫のやり取りを読み進めるうちに、読んでいる私自身の人生のさまざまな記憶が蘇ってきました。

病気療養中、病院での生活は不安を抱え、体力がなくなり、痛みがひどくなります。すると、自分の家で特別何でもない時間を楽しく過ごせるだけでも幸せを感じるように…。
妻の日記を読むと、思いやりに溢れている夫婦の関係がうらやましくもあり、家族が一番なのだと改めて感じられ、生活の中のささやかなことが大事に思えてきます。

最後の方にもっとも著者が伝えたいメッセージが…
平凡な夫婦の人生が飾らない言葉で綴られているからこそ、共感できます。

11月22日は「いい夫婦の日」。ぜひ読んでみてください。


osikkotyoppirimoretarou「おしっこちょっぴりもれたろう」

ヨシタケ シンスケ/作・絵
PHP研究所

 

何度も口に出して言いたいと思えるタイトル。
可愛らしさとおもしろさに、子どもも大人もクスッと笑える絵本です。
子どもの悩みを可愛らしく表現しながら、みんなそれぞれ悩みがあるということを教えてくれます。
男の子のお母さんに共感してもらえることまちがいなし。何度読んでもおもしろい素敵な作品です。


「本屋さんのルビねこ」honyasannnorubineko

野中 柊/作
松本圭以子/絵
理論社

 

ルビは、本屋さん「本の木」のかたすみでほこりから生まれた小さなねこ。店主モシモさんとふたりぐらし。ルビは本に囲まれているので、どこかへ行かなくても動物のことや外国のことや、広い海のこと・・・何でも知ることができました。

ルビは、毎日おいしいものを食べ、お昼寝をしたり、絵本をめくったり、本屋さんの看板ねこになるための想像を膨らませたり、穏やかで幸せな日々を送っていました。

そんなルビにも誰にも言っていない悩みがありました。しかし、モシモさんと出会い、友だちができ、本や、本好きのお客さんに囲まれて、少しずつ成長していきます。そしてやがて、自分を見つめ直します。何があってもけなげに頑張る純粋なルビの姿がとても愛らしく癒されます。

モシモさんは毎朝「本の木」の看板を出す時にこうつぶやきます。
「もしも本の神さまがいるのなら、求めているひとが求めている本に、物語に、言葉に出会えますように」

本への愛情がたっぷりつまった優しく温かいファンタジー、読書の秋におすすめしたい一冊です。


【9月のおすすめ本】

tenkitu 「まんがでわかる天気痛の治し方 ~気圧による不調をズバッと解決!~」
佐藤 純/著 あさば/著
イースト・プレス

 
 

雨が降る前に頭が痛くなったり、気分がすぐれなかったりすることはありませんか。
それは「天気痛」の症状かもしれません。天気痛の仕組みから治し方、対処方法について
日本で唯一の天気痛ドクターが、マンガ形式でわかりやすく教えてくれます。
薬の種類や飲むタイミングまでも書かれています。
まずはこの本を読んで、気分が重くなる嫌な天気の日も元気よくすごしませんか。


nihongokazoe
「日本語が面白い!数え方の絵本」
ロコ・まえだ/著
柳原出版

 

日本語には、たくさんの数え方があります。
魚は生きている時は「匹」、水揚げされて食用になると「一枚」「一尾」「一本」。茶碗は「一個」、
ごはんが盛られると「一膳」「一杯」。同じものでも、形や様子が変わると、数え方も変わる日本語のおもしろさ!!
かわいいイラストで紹介してあるので、親子で楽しめます。知っているようで、実は知らない物の数え方・・・。
さて、問題です。「山」や「湖」は、何と数えるでしょう?
この本を読むと、少し賢くなった気分になれます。


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「この世界で、君と二度目の恋をする」
望月 くらげ/著  ナナカワ/装画
KADOKAWA

君と一緒なら、世界が輝くんだ ――。
初恋で、初めての彼との幸せな日々。しかし、突然別れを告げられてしまう。思いを引きずったまま高校生になった
少女・旭のもとに、大好きだった彼・新が病死したという知らせが届いた。
そして、彼がつけていたという日記帳を母親から受け取り、その日記帳に秘められた驚くべき「秘密」を知る。
それはとても不幸せで、幸せな「初恋のやり直し」のはじまり…。
過去と現在、変わらない思い出と変えられる未来。彼との明日を作るためにもう一度あの時へ…。
それぞれの思いの行く末は ――。
カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門〈特別賞〉受賞作品。
『私は、過去を変える。それがたとえ ―― 許されないことだとしても。』


eetoko
「ええところ」
くすのき しげはる/作 ふるしょう ようこ/絵
学研教育出版

 

主人公のあいちゃんは、自分に自信がありません。
背は低いし、走るのも遅いし、100点を1回もとったことがありません・・・。
友だちの ともちゃんに「私のええところ、教えて」って聞きます。
ともちゃんは、よ~く考えて あいちゃんのええところを言ってくれます。
あいちゃんの ええところとは・・・。
大人も子どもも心がほっこり元気になる絵本です。


【8月のおすすめ本】

035695640000「恋歌 」
朝井 まかて/著 
講談社

 

幕末の江戸。主人公の中島歌子は実在の人物で、樋口一葉なども門下生として
通っていた和歌塾「萩の舎」を開いた人です。このお話の序盤は、門下生の花圃が
病床の歌子の部屋を整理している時に手記を見つける所から始まります。
歴史小説を読みなれていない人にとってはこの部分は聞きなれない言葉が多く、
なかなか読み進みにくいかもしれません。
しかし、この手記には彼女のこれまでの人生が鮮明に描かれていて、
どんどんひきこまれていきます。最初は、名のある宿屋の娘登世(歌子)が以徳という
静かで若く美しい剣士と出会い恋におちる。水戸に嫁ぎ、
同居する義妹に冷たくあしらわれながら、たまにしか会えない夫を
思いながら一生懸命生きる、せつない純愛物語のように話は進んでいきます。
しかし、中盤からは話がとたんに血生臭くなってきます。
歴史の転換期であるこの時期、水戸でも天狗党と諸生党が対立し
登世と天狗党の一員である以徳もその波にのまれていきます。
登世と義妹は投獄され、過酷な運命にさらされます。
その壮絶な牢獄生活の描写に、私もこの恐ろしい空間に引き込まれたような
感覚になりました。解放された後の人生も、この人がこういうふうに関わってくるのかと、
巧みな構成に驚かされます。この戦が生んだ復讐に次ぐ復讐。この憎しみの連鎖は
、どんどん続いていくのかと思いきや、晩年の歌子の決断には感心します。
この一冊で、胸がキュンキュンしたり苦しくなったり辛くなったり、もう最後まで
ぐぐぐっと感情を揺さぶられることでしょう。第150回直木賞受賞作です。

       


 
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「セカンドライフ、はじめてみました」

bonpon/著
大和書房

 

この本の著者は、bonpon(ぼん/ぽん)2人は夫婦です。
夫=bon、妻=pon、60代の夫婦です。若いころ二人は、
秋田県に素敵な家を建てて住んでいましたが、夫=bonが定年するのを機に、
秋田県の家を解体、仙台に移り住みました。
60代になってから、住み慣れた場所を離れ、新しい生活を仙台へと移した夫婦は、
「終の棲家」探し、「生活はシンプル最小限に!」と楽しみながら毎日を送っています。
夫婦の髪型はお揃いのグレーヘア(白髪)自然の色、
妻=pon髪の毛の色に合わせて丸いカットがとてもお似合いです。
髪の色が白くなると明るい口紅が似合うようになり、洋服のテイストも変わったそうです。
夫=bon、妻=ponは、お金をかけずに楽しむファッションをしているのが
夫婦円満の秘訣だそうです洋服のメーカーや値段も公開していますが、
お金をかけずにこんなにとてもお洒落できる2人は、とてもセンスのいい人なんだな、
と感じます。2人のお出かけのフアッションを紹介すると、
夫=bonが青と白のチェックのシャツを着ると、妻=ponは、
青と白のチェックのスカートを履き、どこかワンポイント同じにするとで、
統一感で輪をかけてお洒落になります。そんな2人が仙台の街を歩いていたら
、それは目立ちます。コーデのファッションスナップがインスタグラムで評判となり
「こんな夫婦になりたい」と話題の素敵な夫婦を参考にたくなる1冊です。

 

       


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「キキとジジ 魔女の宅急便 特別編その2」

角野栄子/作 佐竹美保/絵
福音館書店

 

児童文学のノーベル賞とも言われる『アンデルセン賞』を取られた角野栄子さんの本です。
この本は、大人ももちろん子ども達も大好きな「魔女の宅急便」の、
スピンオフ・シリーズの第2弾です!ある冬の日、人間のお父さんと
魔女のおかあさんの間にかわいらしい女の子が生まれました。
名前はキキ。この本は、キキが魔女になる前の物語です。
キキが生まれてまもなく、ゆりかごに飛び込んできたのが、
真っ黒くろの猫でした。キキのおかあさんが頼んでいた、注文どおりのオスの黒猫。
この猫がジジ。そのジジといっしょのあかちゃん暮らしが始まります。
も、人間と猫。月日が流れるのは同じですが、ジジはどんどん成長するのに、
キキは猫に比べてゆっくりです。といっても将来、魔女猫になるジジは他の猫より
ゆっくりでちび猫でしたが、キキがとってもあかちゃんなので、イライラの毎日です。
ゆっくり成長するキキの毎日の中で、声を出すと褒められ、
ハイハイができると褒められ、歩くと褒められる。そんな日常がいやになり、
家出をしてしまうジジ。さあ、このあとはどうなるのでしょうか?!
キキが魔女になるまで、ジジが魔女猫になるまでの、
心温まるお話です。どうぞ読んでみてください。

 

       


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「せかいでさいしょのポテトチップス」

訳/千葉茂樹   BL出版

 

皆さんポテトチップスを知っていますか?「好きな人?」と聞くと、
皆きっと手を挙げるでしょうね。では、はじめて作った人!
はじめて食べた人をしっていますか?それは、
料理上手なクラムさんのレストランへ現れた、こだわりやのホースフェザースさん
の「ポテトをどっさり食べさせてほしい」という注文から生まれました。
最初はくしがたにして、二度目は薄く切ってフライドポテトにして
だしたクラムさんでしたが、「ぶあつすぎる」「まだあつい、
それにちっとも味がない」と、お皿をつき返えすホースフェザースさん
3度もつき返されたクラムさんのムクムクと湧き上がったいたずら気分から
生まれたのが、4度目にして、こだわりやを「か・ん・ぺ・き・だ」と言わせた
新しいポテト料理。まさにポテトチップス完成の時です。
いまや世界で大人気のポテトチップスの始まりを味わってみませんか