図書館職員のおすすめ

【7月のおすすめ本】

『麦本三歩の好きなもの』「麦本三歩の好きなもの」 

住野よる/著
幻冬舎

 

本編は12本の短編小説で構成されています。食べることが大好きでおっちょこちょいの天然キャラ、図書館職員の20代女子、三歩が主人公。思考回路がおもしろく独特の世界観が満載です。

言葉をよく噛むし、挙動不審になったり妄想したりと、日々奮闘。そんなドジな三歩ですが、職場では優しい先輩や怖い先輩、おかしな先輩、プライベートでも大学時代の友人などみなに愛されています。

特になにかが起こるわけではないけれど、明るく前向きな三歩の、のほほんとした日常を描いています。のんびり読書におすすめです。


『「シミ抜きの神様」が教える驚きのマジック!魔法水でシミが落ちる!』「魔法水でシミが落ちる!」 

横倉 靖幸/監修
扶桑社

タイトル通り「しみ抜きの神様」の驚きのマジックの数々を写真でわかりやすく紹介してあります。その材料は、身近なもので、テクニックも難しいものではありません。

魔法水なるものも、液体の酸素系漂白剤・重曹・食器用中性洗剤を混ぜたもので、この魔法水で、シミの9割は、落とせるというのですから驚きです。これは是非、試してみたいですね。

他にも油性のシミは女性用のクレンジングオイルで、泥汚れは男性用スクラブ入り洗顔料が活躍するそうです。衣替えの時期など、知っていると大活躍の技が満載のおたすけ本です。


『4年2組がやってきた』(児童)「4年2組がやってきた」 

野村一秋/作
ささきみお/絵
くもん出版

 

主人公の高橋真人くん(通称マーくん)は脳性麻痺のため、車椅子で生活しています。5年生のマーくんが一人だけのクラスにじ組に、ある日4年2組がやってきて、交流することになりました。マーくんは字が書けません。その為一人ひとりの名前を覚えますが・・。
4年2組のみんなも初めはマーくんとどう関わっていけば良いのか分からない様子でしたが、何が好きで、こんなことができるんだと、理解を深めていき、少しずつ関係作りが始まりました。そして、ちょっとした表情や動きを察して、こうしたらマーくんがやりやすいのではないか?など、子どもたちが少しずつ考えて動けるようになっていく姿に、大人も考えさせられることがあるのではないでしょうか?

ある日、みんなで“スマイルアトラクション”という発表会を開催することになりました。果たしてマーくんと4年2組のみんなはどんな発表会を作り上げたのでしょうか・・?

今年の長崎県読書感想文コンクールの課題図書にに選出されていますので、保護者の方々にも是非お勧めしたい一冊です。


ごじょうしゃありがとうございます「ごじょうしゃありがとうございます」 

シゲリ カツヒコ/作
ポプラ社

バスにのり一人でおばあちゃんの家に行くことになったユウタ。バスの中でゲームに夢中になってしまい終点まで行ってしまいました。「どうしよう・・・」あたりをみまわしていると、昔風のバスが停まっています。

バスの中からユウタよりも小さな男の子があいさつをしてきました。「ごじょうしゃありがとうございます!」
あやしげなバスに、あやしげな運転手、そしてあやしげな乗客と行先・・・。ユウタは無事におばあちゃんの家に行けるのでしょうか・・・?

迫力とリアルな妖怪たちの絵に引き込まれる1冊です。さぁ、ユウタと一緒に冒険へでかけよう!


【6月のおすすめ本】

042372370000「ドルフィン・デイズ!」 

旭 晴人/著
KADOKAWA

友達や後輩たちが次々と就職していく中、仕事が決まらずバイトも続かず、海に潜る日々を過ごしていた蒼衣。

ダイビングに魅了され、やりたくもない仕事をする必要性が分からずにいましたが、現実的に働かなければならないとも感じています。

そんな時に「泳げる仕事」だと聞いて受けたのが、水族館のドルフィントレーナーの採用試験です。晴れて採用された蒼衣は、試験の時にパートナーになったイルカのビビとドルフィントレーナーとしてショーに出演する日を夢見ながら、チームの一員として働く日々を送りますが・・・。

夢を見つけた蒼衣が、まっすぐに努力し、困難を乗り越えようとする姿にハラハラしたり、勇気がもらえたりすると思います。生き物と深く関わる仕事の厳しさやイルカショーの舞台裏も垣間見えますよ。


042457510000「ののはな通信」 

三浦しをん/著
KADOKAWA

ののとはなという二人の女性の取り交わす手紙のやりとりといった形式の本作は、「好き」という想いにとことん向き合っています。恋人への大切で大事で…という、なかなかうまく言語化できない感情が言葉にされています。この言語化こそがまさに小説の醍醐味ではないでしょうか。そして本作は恋愛小説にとどまらず、どう生きるのかを考えてしまう、奥行きのある作品であることも魅力のひとつです。

恋人への好きという感情をどう言葉で表したらいいのかと思いあぐねている方、恋をしていない方もぜひ、本作の「好き」という想いにたっぷりとひたってみてください。いつの日にか、二人のような一生に一度の恋愛をしてみたくなりますよ。


043182170000「アスリートがくれた元気が出る言葉」 

高木 栄利、飯野 由希代/文
あかね書房

世界で活躍するアスリートの言葉や、アスリートが大切にしている言葉が数多く紹介されています。

自分が掲げた言葉に負けない気持ちの高め方や努力の仕方などが、短いエピソードでわかりやすく書かれています。中には方言まじりの言葉もあり、親近感がわいてきます。

「勝たな おもろない」――の言葉をプールの壁に書き、毎日1万メートル前後泳ぐ、女子パラ・アスリート。試合で、追い込まれ気持ちが弱くなった時、テニスラケットのグリップに書いた「俺は最強だ!」の文字を見て自分を振い立たせるアスリート。自分のやる気をかき立てる言葉や、仲間と共に励ましあう言葉には、同じ競技をしている人ならより一層共感するところがあると思います。

2020年7月末から開催される、東京オリンピック・パラリンピックでは、見たくなる種目が増え、応援したくなるアスリートが出来るかもしれません。


003020350000「はれときどきぶた」 

矢玉四郎・作/絵
岩崎書店

主人公は畠山則安くん、小学3年生。2年生の頃から毎日、日記をつけているのが自慢です。

ある日、お母さんが自分の日記を読んでいることに気付いた畠山くんは、「あしたの日記」を書くことにしました。でたらめなことを書いてお母さんを驚かせようとしたのです。しかし、「あしたの日記」を書き始めてから次々と変なことが起こるようになり・・・。

6月7日、日よう日、テレビでは天気予報をやっていた。「午後からところにより、ときどき、ぶたがふるでしょう」――。

変なことが起こるのは、自分が書いた日記のせいだと思った畠山くんは、あわてて日記を消してしまいますが、そこには思いがけない結末が待っています。

出版から約40年もの間子どもたちに読まれてきた「はれぶた」シリーズ、子どもらしいユーモアがいっぱいつまった物語です。面白いお話を読みたい子どもたちにおすすめの1冊です。


【5月のおすすめ本】

さざなみのよる「さざなみのよる」 

木皿 泉/著
河出書房新社

末期ガンでこの世を去った、43歳のナスミという女性の死から始まる14の連作短編。

彼女の残した言葉やその生き様が家族や友人、彼女と関わった人々の心の中に、さざなみのように広がっていきます。豪快に笑いながら、自由奔放な彼女が口にする言葉は特別なものではないけれど、ぐっと心を掴まれて、温かく心を満たしてくれます。

人の死を通じて、‘生きること’‘人と人とのつながり’を大切にしたくなる、死に対しても前向きに考えられる作品です。

ナスミたち家族のコメディードラマDVD『富士ファミリー』も西有家図書館にございます、合わせてご覧になりませんか?


地球星人「地球星人」 

村田 沙耶香/著
新潮社

 

毎年お盆の時期になると祖父母の暮らす秋級を訪れる奈月といとこの由宇。

恋人である2人は互いに家族への違和感、自分たちが彼らとは違うことを感じながら過ごしています。2人にとって周りの人たちは地球星人であり、由宇は宇宙人で奈月は魔法少女だと考えているのです。

ある日、地球星人にとって「ありえないこと」を犯してしまった2人は引き離されてしまいます。2人は離れる時「何があっても生き延びること」を約束し、大人へと成長していきます。

小説後半、奈月と夫の奇妙な関係性、大人になった奈月と由宇との再会、3人が起こす衝撃の展開とは…!?

自分とは違う世界観に引き込まれてみませんか?


いいたいことがあります!「いいたいことがあります!」 

魚住直子/著
西村ツチカ/絵
偕成社

小学6年生の陽菜子は母と男子校に通う中学生の兄と3人で、単身赴任中の父のいない家で暮らしている。お母さんは、陽菜子にだけ家事も勉強もちゃんとするように言う。

お兄ちゃんは勉強と部活で忙しいから、家事はしなくていいらしい。
「なぜ、私だけ?」と、納得できない陽菜子。それに加えて、兄のように塾へ行っても成績が上がらないので「中学受験」もそのための「塾」も行きたくない、と不満を募らせる陽菜子。

こんな日々の不満や悩みを母にぶつけられない陽菜子の前に「スージー」という不思議な女の子が突如現れる。そして彼女が落としたらしい古ぼけた「手帳」には、スージーの心の叫びが書かれていた。その叫びは今の自分と同じ心の叫びであることに気付いた陽菜子はスージーを姉のように慕っていく。

幽霊でもない、泥棒でもない、突如現れたスージーの正体とは?そして、陽菜子の心の叫びは母に届くのか?

同世代の女の子が読んでも、母となった大人が読んでも共感できるお話です。


空飛ぶ救命救急室「空飛ぶ救命救急室 ドクターヘリの秘密」 

和氣 晃司/著
彩流社

 

高機能な医療機器を搭載し、救急専門の医師と看護師を乗せていち早く救急現場に出動するドクターヘリは、まさしく空を飛ぶ救命救急室です。

出動要請があると3分以内に離陸し、そして15分以内に適切な治療を行う。そんな過酷な医療現場に向かうフライトドクターのことや、日本のドクターヘリの現状がわかりやすく書いてある1冊です。

ドクターヘリって24時間いつでも出動できるの?
さまざまな疑問も、この本を読めばきっと解決!

5月12日は「看護の日」。この機会に日本の医療について学んでみませんか?