図書館職員のおすすめ

【5月のおすすめ本】

さざなみのよる「さざなみのよる」 

木皿 泉/著
河出書房新社

末期ガンでこの世を去った、43歳のナスミという女性の死から始まる14の連作短編。

彼女の残した言葉やその生き様が家族や友人、彼女と関わった人々の心の中に、さざなみのように広がっていきます。豪快に笑いながら、自由奔放な彼女が口にする言葉は特別なものではないけれど、ぐっと心を掴まれて、温かく心を満たしてくれます。

人の死を通じて、‘生きること’‘人と人とのつながり’を大切にしたくなる、死に対しても前向きに考えられる作品です。

ナスミたち家族のコメディードラマDVD『富士ファミリー』も西有家図書館にございます、合わせてご覧になりませんか?


地球星人「地球星人」 

村田 沙耶香/著
新潮社

 

毎年お盆の時期になると祖父母の暮らす秋級を訪れる奈月といとこの由宇。

恋人である2人は互いに家族への違和感、自分たちが彼らとは違うことを感じながら過ごしています。2人にとって周りの人たちは地球星人であり、由宇は宇宙人で奈月は魔法少女だと考えているのです。

ある日、地球星人にとって「ありえないこと」を犯してしまった2人は引き離されてしまいます。2人は離れる時「何があっても生き延びること」を約束し、大人へと成長していきます。

小説後半、奈月と夫の奇妙な関係性、大人になった奈月と由宇との再会、3人が起こす衝撃の展開とは…!?

自分とは違う世界観に引き込まれてみませんか?


いいたいことがあります!「いいたいことがあります!」 

魚住直子/著
西村ツチカ/絵
偕成社

小学6年生の陽菜子は母と男子校に通う中学生の兄と3人で、単身赴任中の父のいない家で暮らしている。お母さんは、陽菜子にだけ家事も勉強もちゃんとするように言う。

お兄ちゃんは勉強と部活で忙しいから、家事はしなくていいらしい。
「なぜ、私だけ?」と、納得できない陽菜子。それに加えて、兄のように塾へ行っても成績が上がらないので「中学受験」もそのための「塾」も行きたくない、と不満を募らせる陽菜子。

こんな日々の不満や悩みを母にぶつけられない陽菜子の前に「スージー」という不思議な女の子が突如現れる。そして彼女が落としたらしい古ぼけた「手帳」には、スージーの心の叫びが書かれていた。その叫びは今の自分と同じ心の叫びであることに気付いた陽菜子はスージーを姉のように慕っていく。

幽霊でもない、泥棒でもない、突如現れたスージーの正体とは?そして、陽菜子の心の叫びは母に届くのか?

同世代の女の子が読んでも、母となった大人が読んでも共感できるお話です。


空飛ぶ救命救急室「空飛ぶ救命救急室 ドクターヘリの秘密」 

和氣 晃司/著
彩流社

 

高機能な医療機器を搭載し、救急専門の医師と看護師を乗せていち早く救急現場に出動するドクターヘリは、まさしく空を飛ぶ救命救急室です。

出動要請があると3分以内に離陸し、そして15分以内に適切な治療を行う。そんな過酷な医療現場に向かうフライトドクターのことや、日本のドクターヘリの現状がわかりやすく書いてある1冊です。

ドクターヘリって24時間いつでも出動できるの?
さまざまな疑問も、この本を読めばきっと解決!

5月12日は「看護の日」。この機会に日本の医療について学んでみませんか?


【4月のおすすめ本】

会社を綴る人「会社を綴る人」 

朱野 帰子/著
双葉社

 

主人公の紙屋は、派遣社員歴10年の32歳。光り輝く経歴の両親と兄を持つ落ちこぼれ。唯一の特技は、文章を書くこと。

そんな紙屋がこの春、奇跡的に老舗製粉会社の正社員の職を得る。しかし、配属された総務部では、案の定、注意力散漫で要領が悪く、失敗を繰り返し、同僚には「会社のお荷物」「給料泥棒」とまで言われる始末。

会社には、会社規則から、社史、プレゼン資料、会議録、社内報、社員へ通知文、メールのやり取りに至るまで、おびただしい数の様々な文書が溢れている。文章を書くことしか取り柄のない紙屋は、一つひとつの文書に誠実に向き合い、必死に書き続けるうちに、旧態依然だった中年社員にも少しずつ変化が表れてきた。やがて会社は転換点を迎えることになり、紙屋は重要な文書に関わることに・・・。

不器用ながらも、「文章の力でやっていく!」「真実以外は書かない!」と、決意と信念を持って突き進む主人公に元気をもらえる一冊。新年度がスタートする4月、思いを新たにお仕事に向かう人へおすすめしたい小説です。


学校へ行けない僕と9人の先生「学校へ行けない僕と9人の先生」 

棚園 正一/著
双葉社

あるきっかけから学校へ行けなくなった棚橋君と、彼のもとを訪れる様々な先生たちを描いたコミックです。著者の実際の体験をもとにかかれました。

ドラゴンボールが大好きな小学生棚橋君は、学校へ行けない苦しい日々を送っていました。彼のもとには担任の先生やカウンセラーなど色々な人が訪れるようになります。しかし、上手くいかない学校生活に次第に焦りを募らせていく棚橋君。そんな中で絵を描くことが楽しみとなり、ドラゴンボールの作者、鳥山明先生に憧れを抱きます。そして鳥山先生と会えることになり…。

不登校児への先生や同級生たちの眼差しがリアルで、棚橋君の苦々しい気持ちが伝わってきます。また、彼自身も不登校という負い目からより一層人目を気にし、自分で自分を追い込んでいくのでした。「フツウ」の子にならなきゃと焦る棚橋君の姿は、私たちに「フツウ」でいることってそんなに大事?「フツウ」って一体何なんだ?と問いかけているようです。

不登校というテーマですが、当時ハマっていた遊び、先生たちとの少しギクシャクした交流などがコミカルに描かれていて読みやすいです。不登校克服のための具体策が書かれている訳ではありません。でも、新生活が始まる4月に、棚橋君が感じた世界を、子どもにも大人にも読んで感じて欲しい、そんな一冊です。


星の王子さま「星の王子さま」 

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ/作
倉橋 由美子/訳
宝島社

長い間、世界中の人々から愛され読み継がれてきた「星の王子さま」。

王子さまは、ふるさとの小さな星から逃げ出し、旅をすることにします。王様の星、ビジネスマンの星などたくさんの星を訪ね、旅を続けて7番目に地球という星にやってきました。それは、今までで一番大きな星で、最初に降り立ったのが、アフリカの砂漠でした。

王子さまが地球にやってきて1年になろうかという時、砂漠に不時着した「僕」と出会い、旅の中で今までにあったことについて話をします。王子さまは、蛇や狐と出会い話をしたことで、自分の星に残してきた小さな花が気がかりになり、帰る決心をするのでした。

「大切な物は目には見えない、心の目でみなくちゃ駄目だよ」と静かに語りかける言葉は、心の奥深く響いてきて、とても穏やかな気持ちになります。

子どもに捧げられてはいますが、大人でも十分に考えさせられる味わいのある物語です。新年度になり、新しい出逢いが待っているあなた、いろいろな思いを巡らせながら読んでみてはいかがですか?

「絵本 星の王子さま」 サンテグジュペリ/著 池澤 夏樹/訳 集英社 もおすすめです。


うみのごちそうしろくま「うみのごちそうしろくま」 

柴田 ケイコ/作・絵
PHP研究所

 

食べることが好きすぎて、うみのごちそうの中に入って妄想をくりひろげるくいしんぼうのしろくまくん。
どのページもつっこみどころ満載で、イラストも思わず笑いが出てしまうほどかわいく、期待を裏切らない楽しさです。
子どもから大人まで、シュールで面白いと大人気の「しろくまシリーズ」。想像をかきたてるユーモアいっぱいの絵本になっています。
しろくまくんの妄想はどこまで広がっていくのでしょうか?


【3月のおすすめ本】

ゆきうさぎのお品書き:母と娘のちらし寿司「ゆきうさぎのお品書き:母と娘のちらし寿司」

小湊 悠貴/著
集英社オレンジ文庫

「おいしい」ことは、幸せなこと。「ゆきうさぎ」という小料理屋が舞台の“あったかほっこり物語”です。亡くなった祖母が営んでいた小料理屋「ゆきうさぎ」を再開させた心優しい青年の大樹、あることがきっかけで食が細くなり、のちに、この小料理屋でバイトとして雇ってもらうことになった大学生の碧を中心に、話が繰り広げられていきます。
現在7巻まで出版されていますが、小料理屋が舞台というだけあり、どの巻にも美味しそうな料理が登場します。
巻末には物語にも出てくる〈ゆきうさぎ特製レシピ〉も掲載されています。
「おいしいことは幸せなこと」という言葉がぴったりのこの物語を読んで、心を暖めてみませんか?


ケーキ王子の名推理「ケーキ王子の名推理(スペシャリテ)」

七月 隆文/著
新潮社 (新潮文庫nex)

お菓子こそ、正義だ!
バカがつくほどケーキが大好きな女子高生・未羽は、失恋の悲しみを癒すためにケーキ屋を訪れる。そこにはなんと!学校一のイケメン王子、颯人がパティシエ修行をしていた。
これは新しい恋が…と思いきや、そこはケーキのように甘くはない! 颯人は、『冷酷王子』と噂されているが、噂通り超がつくほど冷たく…。しかし、夢を想う気持ちは誰よりも熱かった!
お菓子大好き未羽ちゃんとケーキに関する知識がスゴイ颯人くんの2人が、他人の恋やトラブルを鮮やかに解決していく青春スペシャリテ。
各章のモチーフになっているお菓子の豆知識も身につき、手軽に楽しめる1冊です。
また続編も現在3巻まで出版されており、恋模様やライバル登場など楽しめる展開になっています。


はじめてのインドアグリーン 選び方と楽しみ方はじめてのインドアグリーン 選び方と楽しみ方」

尾崎 忠・野末 陽平・藤川 史雄/監修
株式会社ナツメ社

インテリアに観葉植物を取り入れるだけで、おしゃれな雰囲気を演出できるのが、インドアグリーンのいちばんの魅力。
省スペースで楽しめる小さなグリーンから、インテリアの主役になる大きなグリーンまで幅広く紹介してあります。
春は植物が成長する季節です。自分の好みやライフスタイルに合った植物をみつけて、グリーンライフを始めてみませんか?


絵本は心のへその緒 赤ちゃんに語りかけるということ「絵本は心のへその緒 赤ちゃんに語りかけるということ」

松居 直/著
NPOブックスタート

皆さん『ブックスタート』ってご存知ですか?
ブックスタートとは、【絵本】を通して赤ちゃんとご家族が楽しく温かい時間をもたれることを願って、絵本をプレゼントするという活動です。
南島原市では、6・7ヶ月の赤ちゃんを対象にブックスタートを行っています。
6ヶ月の赤ちゃんに絵本を読んだり、手遊びを一緒にしたりした後、赤ちゃんの好きな絵本を選んでもらっています。赤ちゃんの反応がすごく良くて、参加している周りの大人も笑顔になってしまいます。
紹介するこの本には、〈絵本を一緒に読むことで、大人が豊かな言葉を語りかけ生活そのものを豊かにすることが大切〉とあります。育児で毎日忙しいかと思いますが、一日少しだけでも赤ちゃんと絵本を読んでお母さんもゆったりとした時間をすごしてほしいと願って、この本をおすすめ本に選びました。