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図書館職員おすすめ

    2025年7月

    京都伏見のあやかし甘味帖 おねだり狐との町屋暮らし
    柏 てん/著
    宝島社
    主人公れんげ29歳。本日、人生を捧げて働いてきた一流商社から唐突に理不尽な退職勧告を受けた。帰宅すると、結婚予定の彼と見知らぬ女性がいて「俺がいなくても、れんげは生きていけるだろう?」と。憤怒の涙を堪え、れんげは一度行きたかった京都へと旅立った。そこで、古い町家に住むおっとり系大学生の虎太郎と出会う。そして、おしゃべりな黒狐とも。次から次へと怪異に巻き込まれ、癒しの旅のはずなのに、いろんな出来事がうっとうしくて一人になりたかったれんげだが……。エピソードの間にある『虎太郎の甘味処日記』が、大変丁寧に甘味処の所在、和菓子のおいしさなど紹介してあり、京都伏見へ和菓子の旅へ行きたくなる程の細かい表現も必読で楽しめるシリーズ。全12巻完結。
    家系図をつくる。
    永峰 英太郎/著
    自由国民社

    自分のご先祖様について調べてみたいと思われる方は少なくないのではないでしょうか。本書は、著者の実体験をもとに、家系図作成に必要な知識や方法を具体的にわかりやすく解説しています。単に先祖の名前を調べるだけでなく、先祖の職業や身分を探し出したり、苗字や家紋を手掛かりに1000年前からの家系の流れを探る方法も紹介。
    調査方法として面白いのは、国会図書館デジタルコレクションでの検索です。270万点の資料の全文検索ができることから、有名人でなくてもかなりの確率でピックアップできるということで、先祖の情報を得るチャンスが飛躍的に増えたといいます。
    わずかな手掛かりを元に調査し、推理し、たどりつく、自分だけのストーリーを探す旅、挑戦してみませんか。
    クジラがしんだら
    江口 絵理 /文  かわさき しゅんいち/絵  藤原 義弘/監修
    童心社

    クジラが何十年もの長い生涯を終えたとき、その大きな体はゆっくりと海の底に沈んでいきます。そこで待ち受けているのは食べ物の少ない深海に住む生きものたち。
    最初に集まるのは肉を食べる生きもの。そして骨を食べる生きもの、さらに骨に暮らす生きもの。クジラはおよそ100年の歳月をかけて、ほんのわずかな骨になるまでたくさんの命をつないでいきます。本書では「鯨骨(げいこつ)生物群集」と呼ばれる独自の生態系を、チャーミングな深海生物の姿を通じて、分かりやすく描いています。
    命のつながりと自然の不思議に触れることのできる、子どもから大人までおすすめの絵本です。深い深い海の底で今も起こっているかもしれない生き物たちの“大宴会”に思いをはせてみませんか?
    13歳からの考古学 なんで人は青を作ったの? 青色の歴史を探る旅
    谷口 陽子/著 クレメンス・メッツラー/画
    新泉社

    今やどこにでも目にする青色は実は自然界にほとんど存在しない。そんな貴重な青色はどうやって作りだされたのだろう。
    蒼太郎と律は科学倶楽部に所属する中学1年生。2人は骨董店の店主である森井老人の元で、研究の手伝いをすることになる。鉱石のラピスラズリから作られるとても高価なウルトラマリンブルー、銅と酢だけで簡単にできるウェルディグリ…様々な青色の再現実験を行いながら、2人は青作りの歴史をたどっていく。
    主人公たちの青作りを小説形式で追体験できる1冊。考古学に触れる高学年や中学生の方へ、はじめの一歩としてどうぞ。

    2025年6月

    月とアマリリス
    町田 そのこ/著 
    小学館
    雑誌社の元ライターだったみちるは、自分が取材した事件によって人を傷つけたことのトラウマで、実家のある北九州へ戻って来ていた。そこへ、市内の高蔵山で白骨化した遺体が見つかるというニュースが流れてきた。元同僚の勧めにより再び事件を追うことになるみちるは、心配する家族や手助けを買って出てくれた井口に守られながら、一歩ずつ事件の核心に近づいていく。どんな人にもその人の大切な人生がある。著者らしい人間味あふれた描写に心が揺さぶられる作品です。著者初のミステリー小説ということもあり、ぜひ読んでいただきたい一作です。
    頭のいい人が話す前に考えていること
    安達 裕哉/著
    ダイヤモンド社

    知性とコミュニケーションの大切さを深く掘り下げて書かれたビジネス書です。ビジネス書と言っても、楽しく読み進められるのはなぜでしょう?大切な人を大切にするために、丁寧で知的なコミュニケーションを心がけてくださいと著者は言っています。また、わかったような気になっている時こそ、丁寧なコミュニケーションを心がける。これこそ本当に頭のいい、知的で謙虚な人の態度なのです。人として、生きていく上で最も大切なことを改めて感じさせられる1冊でもあり、どのような職種でもいつの時代にも、ちょっと立ち止まって自分と向き合うことのできるような、分かりやすく心に響く1冊です。
    まてないの
    ヨシタケシンスケ/作
    ブロンズ新社

    あかちゃんから、おばあちゃんまで。まてない人の、まてない絵本。
    せっかちな「待てない」主人公の、お母さんのおなかの中にいる時からおばあちゃんになるまでをユーモアたっぷりに描いた、ヨシタケシンスケ、せっかち人生応援歌!
    今の自分をまるごと包み込んで肯定してくれるような場面や、それって「待てない」ということだったのかと気づかされる場面が多々あります。
    老若男女問わず、すべての方の人生にエールを贈ります。
    日常のさりげないひとコマを独特の角度で切り取ったヨシタケシンスケの最新作。
    ページをめくる度ニヤリとすること間違いなしです。
    環境委員はもやもやする
    小松原 宏子/作
    ほるぷ出版

    環境委員に立候補した青空小学校4年1組の「エコ」こと大山サエコ。
    きれい好きで掃除が大好きな花屋の娘エコは、普段から教室に花を飾り、過ごしやすく整え、学校の美化活動に取り組んでいる。
    毎年恒例の『環境コンクール』に燃えるエコだったが、同じクラスの子に「枯れたらゴミになる花は飾らないほうがいいんじゃない?」と言われてしまう。次々に起こる問題に
    「もやもや」が止まらず「環境委員になんかならなければよかった」と思うエコだったが…。
    「環境ってなんだろう」「ゴミってなんだろう」
    主人公のエコと一緒に考えてみませんか。

    2025年5月

    モナ・リザのニスを剥ぐ
    ポール・サン・ブリズ/著  吉田 洋之/訳   
    新潮社

    マーケティングに余念のないルーブル美術館の新館長が、来館者を増やす策として打ち出した《モナ・リザ》の修復計画。絶対に失敗の許されないこの国家的プロジェクトに巻き込まれ、奔走する学芸員のオレリアン。美術の知識や歴史などとは全く無縁に作品に魅了され、《モナ・リザ》に恋焦がれていく清掃員のオメロ。天才修復士と呼ばれるガエタノ。世界で最も有名な美術館を舞台に、世界で最も有名な絵画の修復を巡って3人の物語が進行していきます。
    美術作品の価値、創作者と修復士の関係、真贋などの問いとともに展開するこのドラマは、登場人物3人のキャラクターもストーリーに負けない強烈なインパクト。
    スリリングでありながらコミカルな面白さもある魅力的な小説です。
    私が選ぶ高齢期のすまい活
    近山 恵子/著  櫛引 順子/著  佐々木 敏子/著
    彩流社 

    高齢期の生活を豊かなものにするために、すまいの終活を考えてみませんか?
    全国各地で様々な高齢者住宅をプロデュースし、自立と共生のすまいづくりに携わる三人の著者による最新作。自分らしく生きるための最期の選択を他人任せにしてもよいのですかと問いかけます。過去を振り返り、大切なことは何か、自分の価値観を知ることは、残りの人生を充実した日々にするためのはじめの一歩です。
    これからの課題や疑問に答える著者らのアドバイスで生活設計を見直してみると、不安が一つずつ消えて、安心して過ごせる現実がみえてきます。
    人生100年時代を共に支え合い、楽しむためのヒントがつまった1冊です。
    地図にないお店 純喫茶クライ
    吉田 桃子/作  中島 梨絵/絵 
    岩崎書店

    悩みを抱える子どもたちの前にだけ現れる純喫茶クライ。
    おそるおそるお店の扉を開けると…優しいマスターと喫茶店ではおなじみの心躍るメニューが子どもたちを待っています。
    悲しみや怒り、人を想う気持ちといった子どもたちだからこそ抱える悩みにこたえる、マスターの言葉が心に染みます。その言葉をきっかけに自分自身の力で立ち上がる子どもたちのたくましさが描かれ、その姿に大人たちもハッと気付かされることがあるのではないでしょうか。
    また、思わず手に取りたくなるような美味しそうな表紙もこの本の魅力のひとつです。
    ミーコ
    長谷川 義史/作
    講談社

    僕は小学校2年生の春休み、段ボールに入れられた生まれたばかりの子猫たちの中から一番かわいいその子をもらった。ミーコと名づけた。ミーコは小さくて、体の毛は柔らかくて、温かい肌は透き通って、なでると指にミーコの骨があたった。ミーコはか細い声で「みゃーみゃー」と泣いた。夏になっても大きくならないミーコ、秋まつりの太鼓の音に腰を抜かすミーコ…。あほなミーコ。ぶさいくなミーコ。なさけないミーコ。でもその年の冬、ミーコは逝ってしまった。「なんでやねん!」
    少年と子猫ミーコの短くて切ない思い出を綴った絵本です。
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